ゆるっと広告業界

デザイナーのひねもす。

動画広告を勝手に考える。

こんばんは、さじです。

Yahooニュースをアプリで見ていて、最近広告の動画率がずいぶん高いなあと気付きました。動画の安売り状態でちょっと(かなり?)鬱陶しい。そもそも、ニュースを文字で読みたくてアプリを見ているのに集中を削ぐような邪魔をしないでほしいんですが、これ効果あるのかな?

動画が今流行りだからとか、動いた方が目立っていいと考えているのかは知りませんが、テレビCMとの違いやターゲティング広告の良さっていうのはユーザーの「個々にあわせて」や興味を引くのが重要であって、文言をバンバン流して目を引こうとするのは違うんじゃないの?と思うのです。

例えばテレビであれば、主要コンテンツは番組なので放送と並行して広告を流すなんてもってのほかです。以前旧テレビ画面とのサイズ違いを活かす提案として左右に広告を入れてCMを排除する戯れ言(テレビCMの新スタイルを勝手に考える。 - ゆるっと広告業界)は書きましたが、それも動かないことを前提としていました。

で、現状の動画広告を当てはめたとき、明らかにコンテンツの邪魔をする広告を許可しているメディア側に何か闇を感じてきます。広告へのクリック率を上げるなら手段は問わないよ、だって収益化したいんだもの。とでもいいますか。

100歩譲って、動画広告は有りと考えていきます。そこで大事なのは、目を引くキーワードではないのかと。人の目は自分が欲しい情報を感覚的にロックオンする機能があって、文字の字形が「このキーワードは即座に伝達すべし」と認識すると視線を動かしたりスクロールを止めたりしませんか?

例を挙げるならば「京都に行こう」と考えていたとき「京都格安ツアー」の文言がスクロール途中に現れると、はっとする感じ。文字だけに限らず、「新しいパソコンが欲しい」ときはパソコンの画像、「セミナーに参加したい」ときは企業のロゴ、と意識下で情報を集めようとする脳の基本的な能力を利用できないんじゃないかと思いまして。

動画で文字や画像がホイホイ変わると、脳がせっかく集めようとしている情報を見落とすことになるのでは?と考えました。実際、動画広告に目をやっても、あえてクリックすることって自分は皆無です。どちらかと言うと動かない文字広告の方が飛びます。(怪しくないやつね)

動画を再生されるのが増え、さじ的UX(満足度数)がダダ下がったため、設定を変えることにしました。Yahooニュースアプリには自動再生させなくすることができます。ナショナルジオグラフィックの自動再生動画は便利に思っていたのですが仕方あるまい。再生を押すことにします。

落ち着いて記事を読みたい人は少ないのだろうか?やっぱり動画の方がクリック率が良いのかな?このあたり、Yahooに限らず広告を掲載しているサイトやメディアは検証してもいいんじゃないか、とユーザーの一人は思いました。どうせ届かないんだろうなーと思いつつ。

提案としては、動画広告の効果の追究。テレビCM(YouTube広告も含む)と同じ切り口で制作してはいけない。特にニュースアプリでは記事と同列に配されても再生に耐えられる(贅肉プルプルとか最悪です)ものでないと単に悪目立ちして今回の自分のように設定を変更するユーザーを増やすだけです。

イデアとしては、以前にも緩やかな動きの方が心地よいと書きました(奈良のデザイン事務所|しろくまデザイン)が、視線の誘導としては「動いてる?」くらいでも十分だと思います。背景色が滑らかに変わる、ごく一部で動作している装飾がある、など。Yahooからのメールでリンクボタンに光が密かに煌めいているエフェクトをつけたものがあり、ニクイ演出だなと感じました。

制作したバナー広告で、ごくシンプルに文言を生かすように綿密に配置したものが通常の10倍のCTR(クリック率)、2倍のCVR(成約率)を叩き出したことがあります(これは代理店のファインプレーですが。コピーが良かった。)動画にこだわるよりそこが大事なんじゃないかなと。動画広告でと考えるならば、ユーザー目線に立って、マイナス要素を引き出さない工夫を代理店などと一緒に考えてみてはと思います。

さじ