ゆるっと広告業界

デザイナーのじたばた。

トラッキング許可の話。

こんばんは、さじです。

iPhone8のiOSをアップデートしたらアプリの起動時にトラッキング許可を聞かれるようになりました。
少し前に出ていたニュースですがこれのせい?

www.itmedia.co.jp

この記事の中でAppleの強行姿勢が伺えますが同時にアプリ事業者、広告主からは反発の声も聞かれていました。広告収入が激減すると思われたからですね。

広告は誰のため?

そもそも、広告はユーザーの嗜好に合わせて適切なものだけを厳選して配信された方がユーザーは幸せ。アプリ事業者もクリック収入を得られて幸せ。Cookieが行う情報収集を悪用することがない前提です。

広告業側からするといかに踏んでもらうかを頭を捻っている訳で、それがCTR(クリック率)に影響が出ます。どんなにアイデアを練られた良い広告でもユーザーの嗜好にマッチしていなければ無意味です。

Appleとしてはユーザーの選択の自由に舵を切った訳でその企業姿勢はらしいっちゃらしいんですが、事業者側からするとアプリのトラッキング拒否が増えたらたまったもんじゃない訳です。中小事業者は広告収入で開発コストを賄う事情があります。

というのがアプリ事業者、広告主側から見た様子。
ユーザーとしてはどうなのか?

選択はユーザーのため?

自分が使っているiPhoneには、ニュースアプリ、ショッピング系、カルチャー系アプリ。SNSはLINEとTwitterはてなブログなど。量は普通かなと思います。

これらを使う時に、これまではwebサイトを横断して履歴を集める許可をインストール時に押し付けられていました(許可しないと使えないのかまでは未確認でしたが)。ユーザーからすれば、アプリを使いたい訳なので、OK以外の選択はなかったですよね。それによって広告はどう反映されていたのかと言いますと、以下の感じです。最も使用頻度が高いのがYahooニュースアプリとYahooアプリなので、恥ずかしながら一例を挙げてみます。

Yahooニュースアプリで「T、前年度比収益倍増」を読む
    ↓
「T」ってなんだ?Yahooアプリで検索
    ↓
葬儀屋さんだと知る
    ↓
大きな組織なのか?トップページと会社概要を見る

この一連のサイト横断により「こいつは葬儀を調べているんだな」と勝手に推測され、それに関連してYahooニュースアプリのネイティブ広告*やターゲティング**広告に組み込まれてきます。
*ネイティブ広告:記事のような形態で掲載されることでクリックを誘導する広告
**ターゲティング広告:サイトの閲覧履歴からユーザーに適した広告を配信する手法

これで本当に葬儀屋さんを調べていたのであればさして問題ない訳ですが、今回のように単になんだ?と調べただけでも葬儀関連の広告が入ってしまうようになると、いや違うから、とツッコミ入れたくなるのはどなたも経験があるのではないでしょうか。

広告は邪魔?

しかし、興味を持って調べていたことであれば、広告も役に立つものです。過去最も優れたパフォーマンスだと感じたオンラインイベントの広告を例にします。通常オンラインイベントの告知は関心があってもユーザー登録したり自ら調べに行かないと知り得ない情報です。購読記事に表示される機会があり、興味深くクリックし参加登録をすることができました。トラッキング横断許可のファインプレーです。

こんなことがあると、やはりCookieの許可、トラッキング許可を行った方が、ユーザーの利益なのではないか、と感じたんです。

Appleとしては追跡されている事実を明確にすべき、というスタンスですね。自分の嗜好、傾向が収集、分析されることに危機感や嫌悪感を持つ人も多いでしょうし、アプリによってはセキュリティに甘さを感じる場合もあります。サードパーティーCookieには穴が多いとも聞きます。

Yahooニュースアプリが冒頭の記事の影響によるユーザーへの通知を行ってきたので、試しに「許可しない」を選択してみました。他で得た情報を反映しないとどんな広告が載せられることになるのかの実験です。

結果は予想できるかと思います。以前に収集された内容で配信されてはいますが、トラッキング許可を拒否した以降は検索サイトでの検索内容は反映されなくなりました。それによってユーザーである自分への影響と感想は以下です。

影響1.

同じ広告ばかりが入るようになる。(自分の場合、漫画とクレジットカードが多い。以前アプリをインストールしたりクレジットカードの比較をしたから?)

影響2.

ユーザーの嗜好を探るのに困るのか広告が貧弱になる。大手通信各社の広告などが増える。「スマホを使用している」というくくりしか得られなかった?)

感想

面白くないし飽きる。

ラッキングどうする?

特別困ることでもないし、嫌な広告は排除すればいいので(Yahooの広告は配信停止ボタンがあります)トラッキングは許可し直しておきました。おかげでバラエティ豊か。自分の場合は広告も情報収集のひとつという判断です。職業柄もあるかもです。

Appleがメスを入れたことによって、質の良い広告、サイト、アプリが増えることを願います。妙な悪徳広告を配信してきたツケが回ってきたと思えば業界全体で取り組むべき課題です。一時期偽物ブランドやらセクシー路線満開のゲーム広告など酷かったですからね。ブログでアフィリエイトを行う場合も、目先の収益に惑わされず、気をつけることが望ましいようです。フィッシングサイトに誘導なんかした日には読者に申し訳ないですもんね。

考え方は人それぞれですし、今回は大手アプリの場合ですので、トラッキング許可については各々でご判断くださいませ。Appleもそれが目的だったのかなと思います。

さじ