ゆるっと広告業界

デザイナーのひねもす。

奪われる不安から逃げるより道具としてどう使うかを考えよう。

随想|AI時代にデザイナーの未来はあるのか

こんばんは、さじです。

何度か書いてますが、自分は元々編集希望でデザイナーになりました。名刺を持たされて「デザイナー」の肩書きを見て、「そうか、自分はデザイナーになったのか」と複雑な感情を持った記憶があります。

10年ほど前まで、今のデザイナーの仕事は50歳で辞めようと思っていました。若手の台頭や古株の使えなさを目にしてきたので、デザイナー職は引退し、デザイナーの管理か営業職に回るのが年齢的に無理がないかなあなどと考えていた。なんで、デザイン職以外にも企画や営業管理なんかもやってきて、その後に転職したのが印刷会社です。辞めたけど(笑)

考えを改めたのはこの5年ほど。思ったより若手が来ない。。というか定着しない状況。薄給と長時間労働は今の時代の若者は避けるし、webデザイン(コーディングの方ね)の方が人気。紙媒体は種類も決まり事も多く習得に時間を要する。2、3年やると慣れるんだけど、その前に辞めてしまうことが多い。

そして環境の変化が大きい。コロナのリモートワークもそうだけど、それ以前からマシンやアプリケーション、クラウドがグイッと発達したため、これ50どころか60歳でもできそうだな?と思ったこと。技術が職業の寿命を延ばした。

かつてはデザイナー35歳定年説のような言い方をされていました。世の中の流行を追えるのはその辺りまでだと考えられてたのかもしれません。それもインターネットやSNSの発達でカバーできるようになった。情報を自ら収集することが必要にはなります。じゃないと時代に置いてかれる。

少し前まで無理だろうと思っていたことができるようになるのは、例えば飛行機がこれほど身近になったり、デジタルマネーが普及したりといったことに近い。50年前に「自分が生きてる間は無理だろうな」と言われてたのが可能になった。しかも加速している。

ということは、自分が80歳までデザイナーをやると度々書きながらも、本当か?と自分にもツッコミを入れてるけど、30年後には「そんなの当たり前じゃない?」と言われることになるのかなー、と。

今ちょっと辛いなー、という作業(目への負担が主ですね)ももっと楽になる。それどころか、そういうことはハードやソフトの進化でやらずに済むかもしれません。実際、ドライアイの原因のひとつ、画像に関する作業はこの1、2年でほぼ負担がなくなったし、グラフィック作成もより簡便になった。パソコンのスペックを上げれば作業時間が減少し画面を見る時間が減ります。

「こうしたい」とワンアクションでレイアウト作業が完了するようにでもなれば、デザイナーは「作業」より「デザイン」に集中できる。誰にでも出来るような、AIが作り出すようなただ綺麗なだけのものではない、広告価値の原点を追求できる。作家や映画監督のように頭の中を売る商売になる。80だろうが90だろうが可能だ。30年後、その場所にいられたらいいな。

AIに仕事を奪われる話もあるけど、広告やデザインを素人だけで完結させるのはやはり難しいらしいということがわかっている広告主も多い。相応の資金をデザインに投入する広告と、資金難ゆえAIのサービスで「なんとなく綺麗」に出来る広告とで二分化する。もちろんデザイナーや広告主が目指すべきは前者だと思う。

AIがさらに発達したら、デザイナーは本当に「美味しいとこどり」できるようになるかもね、と楽しくなってきた(笑)面倒なことはだいたいやってくれて、設計と仕上げは人間だったらデザイナー職は失くならない。AIがやらかす失敗を軌道修正してやればいい。担当者の苦し紛れの原稿から心理や意図を読み解くのはAIには不可能なんじゃないかな。

てなことを夜に考えてると寝つきが良くなります(笑)おやすみ!

さじ