ゆるっと広告業界

デザイナーのひねもす。

写真の修復(復元)で遊ぶ。

Photoshop|メジャーアップデート新機能β版

こんばんは、さじです。

Adobeのアプリケーションの進化は速くて新機能を試すまで行きつかないことも多いのですが、地道にAdobe AIが学習を進めてくれてるので、Photoshopの選択ツールの機能などは本当に賢くなりました。昔30分かかって抜いていたふわふわじゅうたんや天然カールの人物の切り抜きも一発でほぼ抜けるように。おかげで色味の調整やより自然な切り抜きになど、他のことに気を遣える。美しく仕上がることは喜ばしいことです。

さて、10月にまた、Photoshopがメジャーアップデートしました。

自分は自力で直すのでほとんど使ったことがないのですが、ニューラルフィルターがバージョンアップした模様。ふーん、と新機能を見てたら。

helpx.adobe.com

AdobeのAIが歪みの補正をしてくれる。いやそれはいいんだけど、このリンクちょっと見て欲しいんだけど。

元の画像に実際には存在しない新しいコンテキスト上のピクセルを生成する

笑顔も補正。こわいこわいこわい。。w 実物より良くなっちゃったりして。写りが悪くて嫌だからちょっと直して!なんて依頼が来たらどうしよう。たいして変わんねーよ!って応えてもいいでしょうか?(だめだよね。)

そんなことは置いといて、今回の目玉は写真の復元だそうです。ちょっと面白そうだよね?どんなものかなーと試してみました。

まず古い写真が必要なので、昔の写真をですねー。持ってないのでメトロポリタン美術館からお借りします。名画のアーカイブを持ってまして、こちらからダウンロードできるんです。パブリックドメインで商用利用もOK。全部英語だけどわかる程度の作りになっています。眺めるだけでも楽しいよ!

西暦1400~1600年ごろのがいいかなー。宗教画は怒られそうだし中東も怖いのでー。

New Modelbüch
1615
Designer:Andreas Bretschneider German
Printer:Henning Gross the younger German

オリジナル

こちらのドイツ人デザイナーの印刷物で試してみます。17世紀ごろのエッチング(銅版画)集らしいです。今でいうデザイン書でしょうかね?しみが出て味わい深いものですが、印刷当初はどんなだったのかな?当時を再現してみよう!

まずニューラルフィルターというものをダウンロードするそうです。

800MGもあるんですね。

で、こちらの画像をちょちょいといじってみます。よくわかんないので、文字のあたりを拡大して滑らかな感じに。要は適当にですね。

まずはテストです。

色が沈んだのでトーンカーブで調整しますね。

小さくてよくわかんない?拡大します。

おー、きれいですねー。褪せた文字はくっきりフレッシュに、シミも消えて新しく。紙のしなやかさを感じますね。しかしこの文字とシミに気を奪われておりましたら大事故が起こっていました。

姫が!

なんと、人物のイラストが悲しいことに。 フィルターなので全体にかかってしまった。絵のタッチが排除。これは作者が気の毒すぎるし姫の愛らしい姿を残してあげたいものです。しかし、フィルターを使うと、あっちは良くてもこっちはダメみたいなことが起こりました。ま、不慣れな技術の問題だと思いますが。てことで再度チャレンジです。

ニューラルフィルターを弱めにかけてみました。しかし気になるのはぼんやり感。ま、これも不慣れな自分の技術かと。。

ということで、フィルターを使わずオリジナルを慣れた自力でですねー。

ダスト&スクラッチとノイズ軽減、トーンカーブで姫の美貌を損なわないように人力で補正しました。出版当時はこんなもんかなーと思います。これだとイラストは自然だけど紙の古さはそのままなので、これにニューラルフィルターの力をお借りして、そこからさらに残ってしまったシミをスタンプツールで消す。人力かーい(笑)

紙のしなやかさはフィルターが上手い。

比較

紙のよれ補正はやはりAdobe Senseiには敵いません。シミ抜きも人力では手がかかるのである程度AIが検知して修復するのは素晴らしい。写真の内容によって質感を残すor排除するで使い分けたら良いかと思いました。面白いけど今のところ自分の仕事では用途はないかな。。災害や水害で傷んだ写真の復元作業などに活用できると思います。まだベータ版なので自動補正は今後期待ですね!

さじ