ゆるっと広告業界

デザイナーのひねもす。

恋愛フィルター。

雑記|恋愛しない若者

先日の旅の翌日、朝から仕事してたら起きてきた息子に「おわっ。仕事してる!」と驚かれました。会社員で通勤してた時はそんなこと気づかなかったんでしょうね。社会人は当たり前のことだぞ?と大学3年生には軽くプレッシャーをかけておきました。それはさておき。

今の若者は恋愛に奥手だというのをひしひしと感じるうちの子どもらですが、昔と何が違うのかな?と思うに、過剰な情報で異性に対する恋愛フィルターが作動してないんじゃないか?と思いました。深読みするというか、データ脳というか。損得を分析しちゃってんのかも。

恋愛フィルターって造語もよくできたもので、「恋は盲目」とちょっと今では使いづらい言葉がアップデート。見えないのではなく、近視のような、ぼかしフィルターです。見た目が可愛く見える、カッコよく見えるだけだなく、気遣いが素晴らしく見える、なんでも知っていて賢く見えるといった行動にも影響する強力なフィルター。これらのフィルターが働かない、もしくは持っていない。

文字や動画情報、SNSの発達は便利な面もあるけど、知らなくて当然の異性の真の姿も氾濫していて、例えば見た目が素敵=一目惚れになりにくかったり、話してて楽しい=ずっと一緒にいたいになりにくい。ちょっと気になるなあと相手のInstagramを覗いてみたら異様にキラキラしたリアルに静かに興醒めする。

さらに、情報を追うことに忙しい生活様式、個の活動を尊重する社会の風潮など、出会いがあっても恋愛相手として認識する余裕もない。昔はもっと簡単に人を好きになれた。損得勘定もなかった。それ故失敗もしたけど(笑)

一時期、初体験の年齢の低年齢化が嘆かれてましたが、インターネットの普及に伴い積極性が後退している様子は誰が見てもわかること。インターネットが恋愛フィルターをぶっ壊したのかもしれません。

男子だけでなく女子も…"草食化"では説明できない「若者の性行動」不活発化の本当の意味 「若者のデート・性交渉の経験率低下」は本当である | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

人間同士の付き合いに行政が介入したところで無意味だと思うけど。うちの息子の場合、一対一にあたる付き合いが負担なのだそう。自分が他にやりたいことがあるのにめんどくさい、ともよく言う。自分の気持ちに正直なんだと思うけど、それを上回る恋しさが芽生えない。フィルターが作動しないのだから恋心が育まれるはずもない。

昔読んだ伊坂幸太郎氏の一妻多夫小説は面白かったです。

恋愛フィルターかかりまくりの4人のパパ。子どもが幸せならいいと思う。世間の常識を跳ね返すほど魅力がある相手なら仕方ない(笑)

恋愛しろよ!と勧めるのは決して自分たち世代が少子化を憂いて押し付けてるのではなく、損得勘定を捨てた恋愛も楽しいもんだよ?ってことなんだけど、伝わればいいな。

さじ