ゆるっと広告業界

デザイナーのじたばた。

浅はかな広告に危機意識を。

こんばんは、さじです。

自分が請け負うお仕事ではBtoB(ビジネスtoビジネス)広告、広報案件のため、一般に売られている商品・サービスと違い、企業間で扱うものが主になります。そのため、活用事例やお客様の声なども無論、実名です。その際、イメージ画像をロイヤリティフリーの写真で挿入することもありますが、あくまでもイメージとわかる画像を使用します。本人と誤解されるようなバストアップ画像はNGです。

よく使用するのは有料画像ですが、ACは無料素材でと言われた時だけ使います。無料素材は同業と被るとよろしくないといった事情もありほぼありません。

そのACで写真の悪用(利用規約違反* )が広く発覚したことがありました。

www.yomiuri.co.jp

読売新聞の調べで、AI合成画像を用いた「お客様の声」を偽装している疑いのある事業者が多数見つかったとの記事です。ACではFusionACというAIによる画像合成サービスを展開しており、任意の顔画像2点をブラウザ上で自然に合成しダウンロードすることができます。

いわゆる「お客様の声」であたかも使用者やユーザーが顔出しで効果を謳う広告は今や巷に溢れています。少し前には勝手に芸能人の画像と名前を用いて使用したこともありましたが、今度はAI画像と来ましたね。なんだか広告の質の低下が止まらないですね。

詐欺まがいの広告は昔からありましたが、雑誌の目立たない裏表紙などにひっそりと、かつ傍若無人な謳い文句で存在していました。(幸せになる絵やペンダントなど顔出しで仮名Aさんがにこやかに宣伝してましたね。)ネットが闊歩する現代では美容品から医薬品から健康グッズまでありとあらゆるお客様の声が流れています。

お客様の声自体が本物かどうかを見分ける手段はユーザーにはありませんので、その点を悪用した事例です。そこに載っている顔がフリー画像やAIで作成された実在しない人間であれば虚偽になると理解していない事業者、もしくは「バレなきゃわからない」と確信犯の事業者が多く存在するとうことです。考慮を欠いた知識のない人間が作ったものに踊らされる消費者の一人として全く腹立たしい。

広告を知らない担当者が巷に流れている広告を見様見真似で作れるようになってしまったことも要因と思います。広告に携わるからには、広告の危険性を肝に銘じていただきたいですね。賠償騒動にもなれば自分のキャリアに傷痕も残りますし、そもそも人間性を疑われることになります。

話が少々逸れますが、転職活動時に中小企業でのweb、SNSマーケティング職の募集も相当数ありました。経験者が少ないがために、未経験可の募集をかけるのは仕方がないとしても、「『SNSが好き』でOK!」といった募集を見ると不安を覚えます。SNSの延長で自社広告を作らせる会社が今回のような過ちを起こすのではないかと心配になりました。あなたの会社は大丈夫ですか?

AC側の対処の行方も気になりますが、そういった広告を制作側がNOと拒否できるのが理想です。ネットショッピングが日常になった今、モラルある表現を追求し、ユーザーの為になる広告を提供したいものです。

さじ


*ACワークスは利用規約で禁止を明言しています。(以下利用規約より引用)

(1)AI画像をポルノグラフィや違法その他の不道徳な目的に使用すること、「お客様の声」のように製品やサービスの推奨者として表示する目的で使用することは認められません。


追記:このシリーズは面白いですね。広告業の方、アフィリエイトを行う方は一読しても良いかと思います。何がセーフで何がアウトかは個人の裁量に任されますが消費者庁も最近動きがあります。要注意です。

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