ゆるっと広告業界

デザイナーのひねもす。

情熱と余韻。

こんばんは、さじです。

 

100日後に死ぬワニ。

テレビでも、Yahooでも、ブログでも

けっこうな話題になっていましたが

自分がその存在に気付いた時には、叩かれて炎上、

そして、鎮火された後でした。

友人ともちらっと話題が出ましたので

最終話までの30話ほどを読んでみました。

 

目の付け所が良いというと語弊がありますが

期限を設けた漫画をTwitterで毎日配信していくのは

現代人の好みそうな、隙間時間にマッチした手法ですね。

昔で言えば、新聞の4コマ漫画ですが

Twitterのような電光石火のブームになりやすい仕組みは

イデアとして感心するばかりです。

 

流行り記事を読まない方にも簡単に説明しますと

生活する日常を綴る、漫画日記です。

特徴は、死まであと◯日、と明示されていること。

なんでもない日常の仕事や友人とのやりとりが

死を意識しただけで大切に感じる。

その魅力に惹かれたファンが続々と増えていったようです。

 

炎上したのは、どうやら映画化、書籍化、グッズ化の

性急すぎたビジネスの匂い。

余韻に浸りたいファンが喪失感を感じる前に

次々と目の前に出された商品化に

一気に水を差されてしまった様子が感じられます。

 

広告戦略として、間違ってはいないけれども

少し勇み足だったのかもしれません。

広告代理店やプランナーなどのブームを予測する仕事では

迷っていては他所に横取りされる恐れと焦りの間で

常に秒速で駆け抜けている世界です。

代理店はファンの心を読みきれなかった部分を

悔やんでいることと思います。

 

東洋経済オンラインの記事に、これと同じようなことが

書かれていました。

記者はプロだけあって、もっと上手い引用をされてます。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200322-00338828-toyo-bus_all

ロミオとジュリエットの幕が下り悲劇の余韻が残る観客に

幕が上がってDVD宣伝されたなら興醒めである。

<概略しました>

 

まさに、ここですよね。

何かに感動したあとの時間は

自分の中で思いを巡らせて味わいたいと思うもの。

客席で余韻に浸り、連れと感想を語り

では、帰ろうか、と現実に戻るときにようやく

出口にあるパンフレットや関連商品に向く購入意欲。

観劇でしたらそういった現実と夢世界との境目が

物理的に存在することで成り立っていますが

Twitterで追う観客には、グッズ売り場を横付けされたように

感じてしまったでしょうね。

自分はグッズ制作側の人間ではありますが

観劇後は頭の整理も含めて余韻は大事にしたいです(笑)。

 

演劇や舞台やバレエやクラシックコンサート。

日常が再開したら今度こそ赴こう、

そして、作品に感動したらパンフレットやグッズを買って

クリエイターや演者に気持ちを伝えよう、と思います。

金儲けを悪者に思わない商業デザイナーとしては

芸術家や表現者を支援するひとつの方法です。

 

さじ