道端の花、ほどけた靴紐。
こんばんは、さじです。
読売新聞の天声人語にあたる各紙の1面コラムで
時に強烈な印象を残す文に出会います。
幅広い知識と言葉の選び方。
特に印象深いのが、地下鉄サリン事件の記事。
道端の花やほどけた靴紐
少し足を止めてその電車に乗り遅れていてくれたなら
というくだりでした。
映像や画像はその時の状況を知るのに十分ですが
言葉で紡いだ残された遺族の気持ちの代弁は
20年以上経った今でもやるせなさが思い返されます。
夜更けに燃える首里城の映像を見て
一輪の花のあしらいの柱を思い出しました。
アジアの風情漂う城郭は、日本の本土のそれとは違い
琉球王国の名に相応しい華やかな彩りでした。
白砂利の敷かれた内庭は質素に広がり
沖縄の強い日差しに負けじと城を照らしていました。
ひとつの火種が大きな過ちになることを痛感するとともに
それが静かに消えていてくれたなら、と
遅すぎる無念が押し寄せてきます。
いつでも行けると思っていたことが
間違いなのに気づくのはいつも失ってからです。
さじ