デザイナー的パワポ資料の作り方。
こんばんは、さじです。
本来、デザイナーの仕事ではありませんが、営業資料の作成を手伝うことはよくあります。内容は営業が決めますが、見栄えをよくしたり、画像を加工して綺麗にして、お客様への印象アップを図る、というのが建前です。が、まあ、ダサイから綺麗にしてってことです。
使用アプリケーションはPowerPoint(以下パワポ)です。パワポだからダサイのか、作る人のセンスがダサイのか。いえいえ、パワポでもコツを押さえればカッコよく作ることは可能です。
さあ皆さん、営業資料の作成は誰にでも起こりうることです。え、営業職でも事務職でもないから大丈夫?いやいや、世の中にはPTAやボランティア、身内の仕事の手伝いなど何かしら巻き込まれることがありますからね。パワポのひとつやふたつ、ちゃちゃっと簡単に、美しく作れるようにしておきましょう!
パワポ感とは
まずは、何がパワポ感を出すのかチェック。試しによく見かける営業資料をサンプルで作ってみました。
サンプル例(パワポ感満載の営業資料)
一般的にパワポが少しわかってくるといろんな機能があるため、使ってしまう方が多いです。上記例でいうと、
1、文字の影
2、文字ボックスへの背景適用
3、アイコンパーツ、図形パーツの多用
4、フォント、色、グラデーションの多用
となります。また、
5、余白への恐れ(白地があると埋めたくなる心理)
6、目立たせたいポイントがどこかわからない
などは慣れが大いに関係します。まずは以降の基本的なコツを抑えて美しく見やすいパワポ営業資料を目指していきましょう。
仕様を決める
何枚にどんな内容を配分するかを決める際、盛り込みすぎないのが大事です。営業資料は営業トークの補助的な役割なので、話す内容すべてを入れる必要はありません。詳しい説明は別途あるURLを入れるなど、省略できる部分は割愛します。
内容はプレゼン資料であれば50〜100枚前後。営業資料であれば10〜20枚前後が多いかと思います。サービスや商品の説明を簡潔にまとめます。後半に注意点や仕様書、データなどが入る場合もあります。
表題をつける場合は「○○のご提案」が一般的です。1枚めは会社のロゴとタイトルのみでOKです。
表題(表紙ページ)例
ブランディングする
大手企業ほどうるさいブランディングがなくとも、ある程度デザインの方向性を決めておきます。
色
白黒を基調とし、色はメイン2色、セカンド3色程度で決める。本文は黒または濃いグレー。可読性、視認性を高めるためメインははっきりした色を選ぶ。
フォントと大きさ
フォントは統一感を出すため、一種のレギュラーとボールドのみ。タイトル、見出し、本文、キャプション、図用でそれぞれフォントサイズを決める。
写真、イラスト
使う写真やイラストはテイストの合うものを頑張って探す。どうしても揃わない場合はトリミングやあしらいを統一するとごまかすことができる。
これを決めておくと見栄えが良くなるだけでなく、作成のスピードアップにもつながります。また、好みであっても製品やサービスのイメージに合わない色やフォントを使うのは我慢しましょう。
ブランディングに沿って作成した例
ガイドラインを引く
見栄えを崩す原因は文字ボックスや画像ボックスの位置がバラバラなことです。まずはガイドを引きます。この枠の中に配置する、タイトルの位置、ページ(ノンブル)の位置もこの時に決めます。マスターページを活用すると確実です。
文字組みの設定をする
デフォルトのままにしてはいけないもののひとつが行間です。狭くなってますので、文字の1.5倍の行間に固定値として変えます。
文字の配置は資料の各項目ごとにジャスティファイ(両端揃え)、左揃え、中央揃えなど統一させましょう。
また、文字ボックス内の余白設定は初期値が勝手に入ってますので、すべて0にしてしまいましょう。これにより、図形と文字が揃えやすくなります。
挿入図の使い方
図で説明するのが効果的な場合は作図します。フリーのイラストやアイコン、写真を用いて製品やサービスを視覚的にアピールできます。
図形
線の設定は「なし」か太くする。図形の中に文字を入れる場合は周囲の余白を十分にとる。角丸のアールを小さくするなど手を加える。
矢印図形、グラフィック図形
グラフィック機能の吹き出しや図形で用意された矢印などは使用せず、四角や丸、三角、線などを組み合わせて作る。
写真のあしらい
トリミング
画像をノートリ(ノートリミング)で使わない。写真の中で使用したい部分をトリミングして使う。角丸を用いたいときは角の半径を調整する。円のトリミングは正円。
シャドー
シャドーは薄く、存在感を抑えて用いると品良く仕上がります。
まとめ
全体を通して言えることは「やりすぎない」「そのまま使わない」の2点です。また、付属の機能(文字のシャドーや写真の鏡面加工、3D加工など)があると使いたくなると思いますが控えめに使うことがパワポ感を抑えるポイントです。それよりは、図にアニメーション設定を加え動くようにしたり、ハイパーリンク設定をするなどのパワポ特有のスライドテクニックを積極的に使いましょう。
しかしながら、ダサイ!と言われる資料も、顧客の年代やお付き合い、業種によってはダサイことが効果的なこともあります。お得感や親近感を得たいときにはあえてダサくしておく、素人っぽさを残すのも手かもしれませんね(笑)。
さじ
※サンプル内の社名及び内容は架空のものです。
サンプルイメージ内使用イラスト
Joseph MuciraによるPixabayからの画像
サンプルイメージ内使用サイト
LSS (id:little_strange)様 Little Strange Software