ゆるっと広告業界

デザイナーのじたばた。

フリーにはたらくを考える03|フリーランスデザイナーは自由なのか。

こんばんは、さじです。

フリーランス一年目です。商業系広告のデザインを生業としています。特別お題に沿ってフリーランスを考えるシリーズ最終回です。

1回目はこちら「フリーランスのタイムスケジュール」
2回目はこちら「フリーランスとクラウドソーシング」

フリー(英 free)

フリー(英:free)は、「自由な」「拘束を受けない」「無料の」「含有していない」という意味の形容詞。また、「自由にする」「解放する」という意味の動詞でもある。

Wikipediaより引用)

「彼氏(彼女)と別れてフリーになった。」
「では自由ですね」と相槌しますか?恋愛は拘束なんでしょうかね?余談でした。

少し前までは会社員だった人が独り立ちすると「彼はフリーになった」と言っていました。今ではフリーランスという言葉が定着して、フリーだけで使うより、「フリーのデザイナー」「フリーのカメラマン」という形容詞的な使い方をするようになったように思います。

フリーランスデザイナー」は個人事業主の意味合いが強く、「フリーのデザイナー」というとアーティストのような芸術系のイメージに近い。まあ個人的な印象なだけなんですが、はじめに違いを示してみたいなと思った次第です。

フリーランスデザイナーの自分の日常は前々回書いたように忙しい時と暇な時との差が大きいのが特徴ですが、これは自分が代理店から主にボリュームのある短期間の仕事を受けているために起こる現象です。イベント中心の代理店のため、どうしても直前になるまで纏まらない。一旦動き出すと開催や配信の期日が明確に決められてるので、こちらの都合でどうこうなるものではありません。そういう意味で、「自由」とは程遠いということになります。

休みに関していえば、心理的拘束のある「自由」です。以前どこかのコメントに書きましたが、「フリーランスは自由に休めると思ってたけど違った」というこれ。「今から1ヶ月休んで旅に出ます」みたいなことをどこか想像してましたが、実際そんなことしたらクライアントや代理店から弾かれてしまいます。それどころか「クリスマス休暇や正月は休んでいいのだろうか?」という漠然と浮かび上がる課題もあります。

ある外資系企業はクリスマス休暇以降、稼働が予測ができなくなります。案件を寝かせたまま1ヶ月休む強者もいますし、急いでないのに正月2日にメールしてくる仕事人間もいる。海外旅行がこのご時世で難しいので、今年は国内でそれこそワーケーションするホリデーキラーも出てきそうです。休んでいるようで休んでいないのが日本の社会。期限が迫ればクリスマスだろうが正月だろうが仕事するのがフリーランス?ふむ、フリーランスのフリーは自身の自由ではなく、クライアントにとっての自由と捉えるのが正しいようです。

「フリー」の定義を場所や業務の指揮系統だとすれば、今の自分は「自由」です。行きたくない会社に行き会いたくない上司に指示されやりたくない仕事をすることはありません。しかし、本来「フリー」は冒頭に書いたような「好きな時に好きなように表現する」アーティストだと感じているので、商業活動をする広告系デザイナーはフリーランスになったとしても自由にはなり得ない。発注するクライアントがいて、期限があり、企業ブランディングに則ったデザインをしないといけません。そして何より「必要な時にだけ働いてくれれば良い」という都合の良い立場なのです。

フリーランス(英: Freelance)

語源
中世は王や貴族は主力となる騎士を中心とした封建軍の補強として、戦争の度に傭兵団(フリーカンパニー)と契約して戦争に臨んだ。この中には正式に叙勲されていない騎士(黒騎士)や傭兵団を離れ戦場に臨む兵士がいた。当時は槍騎兵 (lancer) が自分の従卒として歩兵や弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1戦闘単位としてカウントされた。まだ敵勢力と契約を交わしていない (英: free) 戦闘単位 (英: lance) を指す言葉として「freelance」が用いられるようになった。

Wikipediaより引用)

クラウドソーシングサービスのランサーズのロゴが兵士なのはそういうことでしたか。槍を持った騎兵から来ていたのはちょっと意外でした。槍として数えられたというランサーたち。人間を道具扱いするのは中世から変わってないような。

クライアントや代理店は否定するでしょうが、何か不都合があればいつでも切り捨てます。企業の中に属していれば例え重大なミスを犯したとしても、怒られたり教育されたりしながらも最低限「人」として給与を払われ、次の仕事を与えてもらえる。それがどんなに不満なものであっても、ですね。それに比べ、「外」の人間は道具と同じで、例えば体を壊したらそこまでです。クライアントは代わりを探し、そこに補充します。折れた槍は捨てて、新しい槍を探す。直してくれないんです。怖いですね。

フリーランスを目指す皆さん、槍になる覚悟はできましたか?それでもフリーランスが自由に見えるとしたら今置かれている状況に問題がありそうです。今が始める時かもしれませんね。応援しますよ。

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さじ

フリーランスを考える全三回でした。お読みいただきありがとうございました。