ゆるっと広告業界

デザイナーのひねもす。

スローな納期にしてくれ。

お金|デザイナーの急ぎ案件価格

こんばんは、さじです。

Want you 俺の肩を
揉みほぐしてくれ
理由なんかないさ
納期がほしい

なんてつまらん替え歌* ですみません。立て込んでおりましたが少し落ち着き、残すは請求のまとめです。すぐやらないとどれくらいのウェイトだったか忘れちゃうんだよね。

で、悩ませるのが特別料金です。通常は仕様ごとに価格設定をしてるので単純計算していくんですけど、急ぎで頼まれたり無理にねじ込まれたりの場合、他のものをストップして優先的に作業を進めるため、本来やるはずだった別の案件を夜間や早朝に回したりという必要が発生します。これ、年齢的にもキツイところ。

特別料金は今のところパーセンテージで上乗せ。この比率は特に決まり事もないので、デザイナーによってまちまちだと思います。ボリューム案件だとトータル額が大きくなるのでなんとなくしゃーないか、的だけど、ちょっとしたものが2点とかだと乗せたところでやりたくならないのでもう少し上げてみたり。間に合わせるために体に負担をかけることへのペナルティだと思っていただきたい次第です。夜は電気代もかかっちゃう。

それが無駄なことが今も昔も浸透していないのがデザイン業なわけですが、クライアントは昼型、デザイナーは夜型とでも思われるのは不本意です。業務の消化に深夜帯は向かない。人間だもの。

さて、そんな特別料金の設定ですが、他のデザイナーはどんなものなのかな?と。

グラフィックデザイナーがよく所属するJAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)という団体の記載では。(JAGDA:制作料金概念規定より引用)

10-- 特急、特殊の仕事
特急の仕事は、作業料のみ、a・b共20%upすることができます。ただし、付加価値料の算出は、up前の作業料によります。また、特殊の仕事については、ケースバイケースで作業料を10~50%upすることができます。付加価値料に関しては特急仕事の場合と同様。

なるほど。やはり、2、3割が定番なのかな。最高で1.5倍まで上げたことはある。まいっか(笑)

他にちょいと気になったのが「付加価値」の文言。

2 付加価値料
付加価値料は「完成した制作物がもたらすだろう付加価値の分け前」です。大キャンペーンの主役になるような制作物は、クライアントに大きな付加価値をもたらすでしょうし、その反対に、付加価値とほとんど関係のない制作物もあります。また、全く同じ広告でも、100万部の雑誌の広告と、数千部の雑誌の広告では、付加価値に大きな差があります。

んー。付加価値といっても、クライアントからどれくらいどうなったのかなんてなかなか聞く機会が。代理店も納品したら請求書よろしくだけだし。随分経ってから「そういえば」と聞く程度です。やっぱ直案件じゃないとヒアリングに結びつかないのが不利ですね。直案件欲しい。

しかし急ぎ案件が短納期でコスパいいというのも実は否めない理由。表題には「スローな〜」などと書きましたが実際にスローすぎる納期は異常なほど手がかかる。ほどほどスローがベストです。

なんでもかんでも上乗せすりゃ良いわけじゃないと思うんで、探りを入れつつジワジワと本来の価格設定を上げられたらいいですね。あと急ぎ案件の頻度は少し減らしたい。フリーランスが勤務時間のある制作会社と違い夜間対応してもらえて投げやすいのが理由だと思うけど深夜作業はリスクが大きい。上乗せできていいでしょ?と思われないよう、牽制しておこ。あー、肩こった。ベイビー、揉んでくれ。

さじ

*元歌「スローなブギにしてくれ (I want you)」作詞:松本隆、作曲:南佳孝より